私は 1989 年から執筆活動を始め、中堅作家としてその時々に 6 大出版社と契約を結び、首を切られないぐらいの販売部数は稼いでいましたが、出版社にとって重要と言えるほどの存在ではありませんでした。ニューヨーク タイムズのベストセラー ランキングに名前が載ったときでさえです。それから長い年月を経て、2010 年に小さな出版社を始めましたが、6 大出版社との関係は続いていました。2011 年 1 月に完全独立を決心し、実際に踏み出してみると、売上が急増しました。その月の電子書籍の販売部数は 347 部だったのに、年末には 600,000 部以上の販売を記録したのです。

私はこれまでに 60 件以上のタイトルを出版し、600 万部以上を販売しました。その多くが、電子書籍に移行してからの数字です。ただし、電子出版は言われるほど簡単なものではありません。出版する側に大きな情熱と配慮が必要になるからです。私の意見では、これは片手間にする仕事ではありません。執筆以外にも、プロモーション、マーケティング、技術的対応など、さまざまな作業に時間がとられます。この問題を解消するために、最近は数人の著者と組んで仕事をするようになりました。彼らは執筆に専念し、我々は営業的な側面を担当するのです。書式設定の作業は Jen Taltyに依頼しています。実は、このやり方に関する本も出版しているので、興味があれば『How We Made Our First Million on Kindle: The Shelfless Book』をお読みいただきたいと思います。

私は Kindle Boards で著者コミュニティと交流するほか、Twitter やブログ、イベントなどで読者と交流したり、他の人のブログにコメントを残したりしています。Joe Konrath と私はお互いのブログにも投稿しています。また、読者のコミュニティを作りたいと考えています。私は、本を売るための最も効率的な方法は「リンク」だと考えています。例を挙げると、私の本に『Atlantis』というシリーズがあるのですが、これはテレビ番組「Lost」に内容が似ているので、「Lost」のページやブログに関連リンクを貼るようにしています。こうすると、オーガニック検索の見地において私のページの関連性が大きく高まります。また、歴史や事実にフィクション要素を取り入れたファクチュアル フィクションを書くときは、メディアや歴史上の何かにリンクを貼るように努めています。

KDP と Amazon については良いことしか思い浮かびません。KDP と Amazon は出版界を大きく変革しました。限られた数社が流通をコントロールするのではなく、読者が中心になりました。なんと、Amazon ではバイクも売られているのです。近いうちに、誰も予想しなかったものが売られるようになったとしても不思議ではありません。そして、これこそが重要なポイントです。Amazon は常にリアクションではなくアクティブな姿勢で物事に取り組み、実現方法を見つけ出します。Amazon は 1994 年に設立され、1995 年にオンラインに進出しました。オンライン化して、まだわずか 17 年です。この17年間で、私は自分のビジネス モデルをどれだけ変えてきたでしょうか？実際のところ、2011 年 1 月に完全独立を果たし、電子書籍に専念するまでは、ほとんど何も変えてきませんでした。