誰にも人生の転機があります。私の場合、それは間違いなく2013年3月18日でした。その日(実際には夜)、小説『Till Human Voices Wake Us』をKindleダイレクト・パブリッシングにアップロードしたのです。作品を世界に送り出す手続きを進めました。私はついに、作家としてのキャリアを手にしたのです。
『Till Human Voices Wake Us』はそうした物語の 1 つでした。12 年ほど前に、知らない人から、義理の姉妹 2 人が恋に落ちてそれぞれの夫と離婚したという話を聞きました。この小説を書き始めたとき、私は愚かにも、これでもう「家族のことをフィクションまたは実話として書いているレーガン家の娘」という枠にはまらない自分の姿を出版社も認めてくれるだろうと信じていました。ええ、私は愚かでした。出版社はこの本を激賞してくれましたが、どこも買い取ってはくれませんでした。どうしようもないことですが、出版社は当時の私のエージェントに対して、「これが無名の作家だったら、すぐ買い取ったのに」と言ったそうです。なるほどね、と思いました。だからといって、どうすればいいのでしょうか。
私は別の小説を 2 本書きました。幽霊を題材にした『The Blue Hour』というヤング アダルト向けフィクション作品と、黒人と白人の若い女性 2 人の友情を描いた小説です。どちらもまったく売れませんでした。私のフィクション作品を買い取ってくれる出版社はどこにもないのだとやっとわかりました。私は KDP について調べ始めました。また、電子出版で本を出している著者についても調べ、やってみようと思い至りました。私は、これらの小説が日の目を見ないまま死を迎えることを恐れていました。もしそうなっていたら、自分の小説を遺作として出版してください、というのが私の遺言になっていたでしょう。