Kindle 本の本文テキストは、すべてデフォルトの書式にする必要があります。見出し、特殊な段落、脚注、目次などには特別な書式を使用することをお勧めしますが、本文テキストには使用しないでください。HTML 内の本文テキストに任意のスタイルを適用すると、そのスタイルのほうが優先して使用され、読者が選択していた環境設定が無効になります。このような動作は読者に悪い印象を与えます。

特に重要なポイントを以下に示します。

• 本文テキストに位置揃え (左揃え、両端揃えなど) を強制しないでください。本文テキストの line-height 属性を固定しないでください。
• 本文テキストにはデフォルトのフォント ファミリを使用してください。font face="…" タグは Kindle プラットフォームでは無視されますが、それでも、このタグを本文テキストに使用しないでください。CSS の font-family スタイルについても同様です。
• 本文テキストにはデフォルトのフォント サイズを使用してください。本文テキストには font size="…" タグや CSS の同等のタグを使用しないでください。本文テキストには太字や斜体を適用しないでください。もちろん、部分的に適用することは問題ありません。ここで問題にしているのは、たとえば本全体に太字を適用することです。
• 本文テキストのフォント カラーや背景カラーを固定しないでください。

空のテキスト行を挿入して空白ページを作らないでください。代わりに、改ページ タグ 'mbp:pagebreak/' を使用します。これは特に、Microsoft Word で作成する文書に当てはまります。Word で改ページするには、Word の "改ページ" 機能を使用してください。

改行するには、<p> (段落) タグではなく、<br> (改行) タグを使用します。本文テキストには "line-height" 属性を使用しないでください。このような固定値を使用すると、読者が選択していたデフォルトの読書設定が無効になることがあります。

各段落の先頭行は自動的にインデントされます。この動作は、'p' タグの text-indent スタイルを使用して変更できます。以下に例を示します。

• p style="text-indent:0" - 最初の行の字下げなし 
• p style="text-indent:10%" - 正の字下げ、ページ幅の 10%
• p style="text-indent:5em" - 正の字下げ、5 em
• p style="text-indent:-10pt" - 負の字下げ、10 pt
• p style="text-indent:-10" - 負の字下げ、10 ピクセル。各段落前のスペースは、'p' タグに "margin-top" スタイルを使用して変更することができます。

 テキストに背景カラーを設定することはできません。また、段落に枠線を追加することはできません。

段落の先頭にある文字を、後に続くテキストよりも大きくするには、font タグの "size" 属性を使用して、先頭の文字に他のテキストよりも大きなフォントのサイズを指定します。
例: Once upon a time...

現時点で、Amazon KDP は、CSS/HTML で設定されるマージン (px 値に設定される topmargin、leftmargin など) をサポートしていません。CSS の margin 属性には正の値とパーセンテージ値 (固定値ではない) を指定できますが、テキストの書式によっては適切に変換されない場合があります。この方法で設定できるのは、左、上、および下のマージンのみで、右のマージンは設定できません。

注: テキストと余白の配置に際し、マイナス値は使用しないでください。調節のために余白を追加することなくマイナス値を使用すると、コンテンツのすべてが表示されず、端が切れてしまうことがあります。たとえば、2em のテキスト字下げを使用したい場合、左側に 2em の余白を適用する必要があります。

Kindle 本はリフロー型であり、さまざまなフォントのサイズで表示できます。ページ番号は適用されません。本の中でページ番号を参照しないでください。相互参照にページ番号を含めないでください。また、ページ番号を示すプレーン テキストの索引を使用しないでください。

フォントのサイズが一貫しない場合や、設定を調整してもフォントのサイズが変化しない場合は、"font-size" で固定値が指定されていることが原因の可能性があります。さまざまな画面サイズや解像度に対応して表示できるようにするには、"font-family" 属性を使用して本文のフォントを設定します。本文にはデフォルトのフォント サイズ (1em) および行間を使用します。本文に "font-size" 属性を使用しないでください。

本文には、すべての箇所において強制フォント カラーを適用しないでください。部分的に強制フォント カラーを使用したい場合、明るすぎたり暗すぎる色は使用しないでください。白い背景の端末または E-reader 端末では明るい色を十分なコントラストで表示することはできません。暗い色は黒い背景の端末上でうまく表示されません。

夜間モードの Kindle タブレットで本を開くと空白ページが表示される場合は、フォント カラーまたは背景カラーが固定されていることが原因の可能性があります。本文カラーまたは背景カラーが白黒に固定されていると、夜間モードではテキストが見えないことがあります。これを修正するには、"font-color" および "background-color" などのカラー属性を削除します。

背景カラーが設定されているかどうかを確認するには、DOC ファイルを HTML (Web ページ (フィルター後)) 形式で保存します。その HTML ファイルを右クリックし、「プログラムから開く」 > 「メモ帳」を選択します。Ctrl + F キーを押して検索ダイアログ ボックスを表示し、ファイル内で「Color」または「Barckground」という単語を検索すると、強制的に色を設定しているかどうかを確認できます。この色設定を削除してから、ファイルを保存してください。

カスケーディング スタイル シート (CSS) は、専用の CSS ファイルに格納し、HTML コンテンツを含むファイルとは別にしてください。タグを使用して、CSS ファイルを HTML ファイルにリンクします。例:

head
link rel="stylesheet" type="text/css" href="theme.css"
head

注: HTML ファイルと CSS ファイルは、アップロードする前に 1 つの .zip ファイルに圧縮してください。

Kindle プラットフォームでは、GIF、BMP、JPEG、不透過 PNG、SVG 画像がサポートされています。

図解、チャート、表、地図など、テキストを含む要素を画像化する場合は、最終的な表示で文字が十分に読み取れるようにしてください。画像は標準 HTML を使用してソースに追加してください (例: < img src="image name.gif" />)。画像が読書端末の画面サイズに収まるようにしたい場合は、タグに height="100%" を追加してください (例: < img src="image name.gif" height="100%" />)。

画像の書式設定の詳細については、ヘルプ ページをご覧ください。

MOBI ファイルの最大サイズは 650 MB です。ソース ファイルを KDP にアップロードすると、KindleGen が画像の自動変換を実行して、コンテンツを Kindle 用に最適化します。画像ファイルを KindleGen に入力する前に、できる限り高い画質を保ちつつファイル サイズの上限を超えないように最適化してください。

できる限りカラー画像を使用してください。現在、Kindle 端末の画面はモノクロ表示ですが、他の端末 (iPhone や PC など) 向けの Kindle アプリではカラー表示ができます。

写真は、圧縮品質が 40 以上の JPEG 形式を使用してください。写真の解像度は、使用可能な最大値に設定してください。

小さすぎる写真は使用しないでください。入稿写真を前述のガイドラインに従って自分で最適化する場合を除いては、入稿写真のサイズを必ず 600 x 800 ピクセル以上にしてください。300 x 400 ピクセルよりも小さい写真は小さすぎて承認されない場合があります。

GIF 形式の写真や小さすぎる写真は、JPEG に変換したり、サイズを大きくしたりしても画質は向上しません。元のファイルから、十分な解像度で JPEG 画像を作成してください。

画像が ZIP フォルダー内で正しく参照されていないと、画像が欠落することがあります。Word ファイルを "HTML (Web ページ (フィルター後))" として保存すると、独立した HTML ファイルと、すべての画像を含む独立したフォルダーがコンピューターの同じ場所に作成されます。

この HTML コンテンツ ファイルと画像フォルダーをまとめて ZIP 圧縮するには、次の操作を行います。

1. Ctrl キーを押しながらコンテンツ ファイルと画像フォルダーをクリックして、両方を選択します。
2. 選択後、強調表示されているファイルのいずれかを右クリックして、「送る」を選択します。
3. 「圧縮 (zip 形式) フォルダー」を選択します。

ファイルが ZIP フォルダーに格納されていることを確認したら、その ZIP フォルダーを KDP にアップロードします。本を出版する前に、画像が正しく表示されることをプレビューアーで確認してください。

表を含めるときは、画像として挿入するのではなく、HTML レイアウトを使用することをお勧めします。表を HTML のタグで記述しておけば、改ページが利用可能になり、読者が表のセル間をカーソルで移動できます。満足度の高い読書体験を提供するには、テキストの段落全体や大きい写真を 1 つのセルに含めないようにします。

表が大きすぎたり、セルに含まれるテキストの量が多すぎる場合は、見やすくなるように表の書式を修正してください。さまざまなフォント サイズを使用する読者に最高の読書体験を提供するには、単一列の HTML テキストを使用することをお勧めします。表を HTML で書式設定する方法については、『Kindle パブリッシング・ガイドライン』のセクション 9.5 を参照してください。

すべての本に、ナビゲーション機能を提供する HTML 目次を用意することをお勧めします。また、すべての電子書籍には、論理目次を含める必要があります。論理目次を用意しておくと、読者が章から章へ移動しやすくなり、快適な読書体験を実現できます。読者が本の最初からページをめくるときは HTML 目次を見ることになりますが、それとは別のナビゲーション機能として論理目次を使用できます。20 ページを超える本では、論理目次を用意することが特に重要です。

論理目次または HTML 目次を作成する方法については、ヘルプ ページをご覧ください。

詳しい手順については、『Kindle パブリッシング・ガイドライン』のセクション 5 を参照してください。